ThinkPad X300製品発表会に行ってきた![発表篇]
では発表会を内容をお伝えしたいと思います。
発表会は下のようなスライドを用いたプレゼンテーションでプレゼンを務めたのは、ノートブック開発研究所 開発担当 チーフエンジニアを務めておられる福島氏でした。
ここでは、このプレゼンの内容を順を追って紹介します。
1.【13.3インチLEDバックライト液晶パネル】
X300の液晶パネルはWXGA+(1440×900)への高解像度化を図ったことでWXGA(1280×800)に比べて表示情報量は28%増大。また、明るさは20%増しながらも25~80%の省電力化にも成功しています。さらに、2.5mm薄く、140g軽くなっています。(明るさや薄さ重量は従来の冷陰極管バックライト液晶パネルと比較したものだと思う)
2.【SSD(Solid State Drive)】
X300は、HDDから脱却しSSDを採用したことによってストレージデバイスの高性能化を実現しています。
- Windows Vistaのブート時間を30%短縮
- PCMark05によるベンチマークでは3倍以上のスコア
- 耐衝撃性能は4~5向上
- モーター、ヘッドなどの機械部品がないのでHDDに比べ信頼性が向上、動作音もないので極めて静か
- 55%軽量化
- 平均消費電力は85%低下
また、X300ではBIOSメニューからストレージ内のデータを完全消去できるユーティリティが提供されるので情報の漏えいを防止できます。(ビジネスや公官庁などの用途には最適だと思う)
3.【基盤】
X300のマザーボードはとても小さいです。こんだけです。
T61と比べると基板面積は50%、重量は60%削減されています。これを実現できたのはインテルのSFF(Small Form Factor)[*1]とHDI(High Density Interconnect)[*2]基盤によるものです。
*1・・・CPU、ノースブリッジ、サウスブリッジ全てを小型パッケージにして各チップの占有面積を小さくしたもの
*2・・・高密度配線のこと
3.【LCDカバー】
X300はLCDカバー(天板)にも拘ってます。
PCの強度に直結する重要なLCDカバーはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)とGFRP(ガラス繊維強化プラスチックのハイブリッド構造です。LCDパネル周りはCFRP、無線LANのアンテナが収められている部分にはGFRPを使用し、無線LANのパフォーマンスを低下させることなく高い強度を維持しています。
実際、耐衝撃性能は従来のLCD Roll Cageに比べ薄型で47%軽量にも関わらず、向上しています。ボール落下衝撃テストの結果は次のようになっています。(T61より耐衝撃性能が上)
またLCDカバーのみならず、本体の構造もキーボード・べゼルと一体化したマグネシウムのRoll Cage構造により、薄くなりつつも片手持ちをした時の内部重要部品へのストレスを15%低減しています。(しなりにくくなった)
4.【キーボード】
X300ではThinkPadフルサイズキーボードをさらに改良。
キータッチの切れを良くしてクリック感を向上(モバイル使用を考慮)させ、キーキャップ表面のコーティングにより高級感を出しつつも摩耗耐久性を3倍以上に向上させています。(このコーティングはX300のほぼ全体に施されている)キーストロークは短くなっているようですが、実際に触った感想としてはX60のキーボードよりも確実にタイプしやすくなっていると思います。
また、排水機構にも手が加えられています。従来の円形の排水溝から、水流の抵抗が小さくなる長方形にすることで排水効率が100%アップしています。
5.【省電力設計】
X300は歴代ThinkPadを超えた最高の省電力設計と謳われています。実際X300の消費電力はT61比でマイナス35%、X61比でマイナス25%を実現しています。(EPEAT Gold、EPA Energy Star 4.0に適合)
X300はこの省電力設計だけに満足せず、使わない機能の電力使用をゼロにするパワーマネジメントによりさらなる省電力を促進しています。
- オーディオ機能:音が必要なければオフ
- DVDマルチ:メディアが挿入されていなければオフ
- イーサネット:ケーブル未接続ならオフ
また、CPUの冷却ファンは回転スピード調整を3段階から、超低速回転を追加した4段階にしています。これは、CPUのリーク電流は一般的に温度が高いほど多くなるので、超低速回転で常にCPUを冷却することでリーク電流を抑え、省電力化に貢献しています。(この超低速回転はファンの消費電力とのバランスを考え、トータルで有利になる回転数を決定している)
6.【熱設計】
X300の熱設計は従来のXシリーズと比べて優秀であると言わざるおえません。発熱量はもちろんのこと、冷却能力とトレードオフになりがちな静音性も確保しています。
- ファンが小さくても静かなふくろう羽ブレードを持ち、ThinkPadで最も軽量な新設計冷却ファンモジュール
- 吸排気口最適設計による冷却用エアフローの改善
- 冷却ファンの新コントロール手法による省電力化
これにより実現した低発熱の効果を見ると
効果絶大です!X61sと比較するとその差は顕著です。
7.【ソフトウェア】
X300ではソフトウェア(主にThinkVantage)も従来のThinkPadから改良されていて、X60にもフィードバックして欲しいなぁなんて思いました。
- 新規メールがくるとThinkVantageボタンが光る(メールはThinkVantageのメッセージセンターのものやPOP3メールに対応)
- ThinkPadを閉じても指定した時間の間スリープしない機能(これ欲しい!!これは、ちょっと移動するときに欲しい機能として要望が多かったんだとか)
- 省電力マネージャーの新機能:オプティカルドライブの自動パワーオフ機能(ドライブ内にメディアがないと10分でドライブのパワーをオフ)
- プレゼンテーションディレクターの新機能:デフォルト・メニューをシンプルにし、画面切り替えアルゴリズムのチューニングにより画面切り替えをよりクイックに。また、「Fn+スペース」でアクティブ・ウィンドウを2ndディスプレイに移動できる。
8.【終りに】
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